VOL.5 乱脈 “丹波焼”

すっかり「マルシェ」や「田舎暮し」なんかでエエイメージがついた篠山市。
市町村合併で篠山市になる前、多紀郡今田町やった所は、今田という地名よりも「立杭(たちくい)」や「丹波」の焼き物の名称で、その名が知られている。だから僕は、丹波焼の郷に訪れる時は「篠山に行ってくるわ〜」ではなく「丹波行ってくるわ〜」ってなる。
丹波焼の産地、今田町立杭。
ここは僕が、じばさんをやるにあたっての聖地と言っても過言ではない場所。
兎に角アメリカかぶれでファッションや音楽が大好きな僕が、陶器なんかに興味を持つなんて夢にも思わんかった。それが今では月1・2回のペースで産地を訪れて仕入れをしたり、一緒にイベントを企画したりしてる。
しかも、仕事の付き合いだけやなく、呑みに行ったり遊びに行ったりと、めちゃくちゃ仲良うさしてもろてる。何でこうなったかって言うと、産地に足を運びだして少し経った頃に目にした光景に違和感を感じたからやった。
それは今どきのライフスタイルショップから窯元さんにFAXで送られてきたオーダーシート。
『鎬の器3個、マグカップ5個、5寸の皿3枚』って書かれてたのを見て、「おいおい発注入れにおいで〜や!」「それぐらい送ってもらわんと自分で新聞に包んで持って帰りーや!」「何がライフスタイルやねん、流行りもん好きなだけやんけ!」って、僕自身がそのFAXに突っ込んでもたからやった。
丹波焼を探求していくうちに民藝に興味を持ち、書籍を読み漁り美術館に足を運んで勉強し、更に丹波焼が好きになった。だけどそれ以上に、何度も産地に足を運んで話をしているうちに、ここの人たちが好になった。
だから僕は、発注でも納品でもチョットした事でも産地に足を運ぶ。だってココが好きやから、だからココを聖地って呼んでんねん!
産地の方々との触れ合いは<COMEPASS_じばさんぽ。▲>でも連載しています。