じばさんeleロゴ
前川拓史の“兵庫イズバーニング”


乱痴気/じばさんらんちき代表の前川拓史が、日々を綴るブログ“Moucho Trabajo Poquito Dinero ▲”の中から特に、兵庫県の地場産地の奥深くに潜り込み、産地の人々と本気で触れ合い、モノづくりの現場に切り込んでくコラムです。



Hyogo's Burning!!! Hyogo's Burning!!!
上っ面だけのうすっぺらい“ライフスタイルごっこ”に、風穴を開けてやるぜ!

VOL.12  寵愛“丹波布”


此処の産地ほど商品化に苦労した所は無い。


あんまりお金の話はしたくないけど、丹波布は高価であるが故になかなか商品化が難しい。
小さくすれば生地代は抑えられるが、良くあるような端切れを使った小物づくりはしたくなかった。


僕の丹波布を知る旅は、産地訪問以外に美術館や民藝館を巡る事から始まった。
兎に角、古い丹波布を観る、触る機会があれば触れる。丹波布を肌で感じたかった。


畑を耕し、種を撒く、やがて芽を出し、花が咲き、綿を収穫する。その綿を丁寧に紡ぐ。
野山にある自然の材料で染色された糸をゆっくりと手織していく。


かつて丹波布の産地「青垣」では、養蚕が盛んで繭を出荷していた。 その中で出荷できないB級品の繭を糸にしたものが“つまみ糸”。繭から糸をつまみ出す事から“つまみ糸”と呼ばれ、織る時に緯糸に“つまみ糸”を織り込む、これが丹波布の最大の特徴となっている。


自然の素材と物を大切にする心、古い丹波布に触れていると昔の生活が脳裏に浮かんでくる。


織上がった丹波布を切って小物にするのは、その心を踏み躙っている気がしてね。
しっかりと織上がった一枚の布をシンプルに商品にしたかった。だから、僕はストールを織ってもらった。


昔ながらの縞模様を再現し、少しだけ僕のアイデアを入れて、ざっくりと織ってもらった。
その心を受け継ぐ人達、“あおがき丹波布工房”の人達に織ってもらった。



産地の方々との触れ合いは<COMEPASS_じばさんぽ。▲>でも連載しています。



BACKNUMBER

VOL.19  入魂“豊岡杞柳細工”

VOL.18  雷電“淡路島手延べ乾かし麺そろそろ”

VOL.17  切望“出石焼”

VOL.16  途上“じばさんらんちきびーむす”

VOL.15  一会“播州織扇子”

VOL.14  融合弐 “乙仲角”

VOL.13  融合 “乙仲角”

VOL.12  寵愛 “丹波布”

VOL.11  平穏 “丹波竹細工”

VOL.10  岐路 “播州織”

VOL.9  賛美 “津名紙器工業”

VOL.8  慕情 “神戸須磨張り子”

VOL.7  情熱 “松右衛門帆”

VOL.6  洗礼 “杉原紙”

VOL.5  乱脈 “丹波焼”

VOL.4  割愛 “LOCALINA MERIYASU”

VOL.3  泣所

VOL.2  眩暈

VOL.1  初動

|  HOME  |  ONLINE SHOP  |  INFO & ACCESS  |  DIRECTOR BLOG  |  STUFF BLOG  |  MOVIE  |
じばさんらんちき / じばさんele,  (C) Copyright 2012 ele. All Rights Reserved.